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ベジブログ

27歳(酒)による……準・東京生活
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ニューヨークの小劇場
 アメリカで小劇場のお芝居を見てきたときの事を思い出します。


そもそも、小劇場のお芝居を色々見たい、と行く前には意気込んでいたのに、なぜ7日間いて一本しか見れなかったのかというと、最初に観に行ったブロードウェイのミュージカルが照明的な観点とか英語が分かる分からないにかかわらず、びっくりするくらい大変面白かったので、それに嵌ってしまい、
「こういうのをもっと色々見たい」
と思ってしまって、小劇場のお芝居のリサーチをやめてしまったというところに原因の一端があります。

また、ブロードウェイ、オフブロードウェイの公演は、演劇、ミュージカル、パフォーマンスに限らず、タイムズスクエアの案内所に行けば情報がわんさかあり、日本語で紹介しているサイトも探せばすぐに出てきて、僕のような英語のわからない旅行者にも分かりやすいのですが、オフオフブロードウェイと(恐らく便宜的に)呼ばれている小劇場のお芝居については、そのような素人にも分かりやすい場所に情報がありません。

おそらく日本の小劇場のお芝居のように、どこでどの劇団が何をやっているか把握できないほど様々な公演があり、演目が入れ替わるサイクルも早いので、一元的に把握して紹介しきれないのもあるのでしょう。
また、僕みたいな演劇に携わっている人間ならまだしも、普通のお客さんとしての旅行者にわざわざ紹介するほどでもないドメスティックな公演が多いのかもしれません。

僕はiPhoneアプリの、アメリカの演劇情報サイトのアプリを使って探しました。
「Theater MANIA」というアプリです。
そこにBroadway、OFF Broadway、 OFFOFF Broadwayと分類して公演情報が載っており、OFFOFF Broadwayの欄の丁度その日に観に行けそうな公演を探して、より情報の多く乗っている"Play"の公演を観に行きました。
もちろんそこに載っている情報を僕は読めないので、弟に読んでもらって判断しました。
ネットで探せばもっと正確に色々と、マンハッタン島でやっている公演の情報が出てくるのでしょうけれども、初心者なので、調べるにあたって手軽にわかる情報のとっつきやすさが重要でした。
ホテルに無料の無線LANがあってよかったです。


観に行ったのはHEREという劇場……というか、スタジオや劇場やおそらく稽古場も併設していそうな施設で、ソーホーの辺りにありました。
HPを見てみたら、4月に(日本のダンスカンパニーの)ニブロールが公演をするんですね。
単なる貸し小屋ではなく、そこで上演する作品はきちんと選らばれていて、劇場側がその宣伝もしているような感じでした。
またニュヨークへ来て小劇場で何か観たいと思ったときに、この劇場に行けは一定レベル以上のものが観れるに違いない、という安心感を覚えます。

そこで観たのが、
「MicroCrisis」(マイクロクライシス)
というストレートプレイの作品です。

当日調べたのだし、前売り券なんて売り場も分からないから持っていようがないので、
当然当日券で入ります。

開演は20時という事だったので、最寄の駅に19時半前に着くように移動して、場所を探しました。ニューヨークも4,5日目ということもあって、弟はなんだか土地勘が出来てきていたようで、地図をみたらサクサクと場所を探してきてくれました。
僕なんか地下鉄の駅を出たらどちらが北か南かまるでわかりません。

途中スタバに寄ってコーヒーを飲みながら無線LANを使って場所の最終確認をして、弟についていって劇場HEREに着きました。

中に入ると右手に受付があり、その右隣がカフェ、左隣が地下へ降りる階段、また入って正面が劇場の入り口らしき扉でした。
アメリカに来て慣れた習慣として受付の人に「ハイ」と言って挨拶して、後は英語を喋れないので弟に交渉を任せます。
以下、やり取りを聞いていた僕が脳内で勝手に訳した英語です。

弟「チケットを二枚欲しいのですが当日で入れますか
受付のお姉さん「演目は何でしょうか」
弟「マイクロクライシスです」
受付「わかりました。*****」
弟「すみませんもう一度お願いします」
受付「お名前をお願いします」
弟「ファーストネームですか?」
受付「氏名です」
弟「ハギワラ○○○です。綴りは、○、○、○」
受付「それではお一人様25ドルになります」

といったやり取りがあり、お金を渡して、弟の名前が印字されたチケットが2枚発行されました。
その場でチケットを作るんですね。
アプリで調べた公演を見ていてもそうだったのですが、日本の当日券(飛び込みのお客さんは少し高いチケット)という概念はないのかもしれません。あるかもしれませんが。

日本と同じ感覚で開演の30分前には開場しているだろうと思って行ったのに、まるで開場はしませんでした。地下にトイレがあるらしいので、地下に降りると、そこには別の劇場があるのか、なにやらパフォーマンスをしている音が漏れてきていました。
そうこうしているうちに、入り口からお客さんが続々と入ってきます。
受付横のカフェからもお客さんらしき人が入ってきて、受付スペースでたむろしています。
結構盛況なようでした。

客層は、それこそ老若男女。さすがに小学生みたいな子共はいませんでしたが、若いカップルからオジさん、白人黒人、ラテン系っぽい感じの人種の人まで様々。
人種の差は関係ないと思いますが、普段普通に仕事をしていて演劇関係者じゃない人の方が断然多そうなんです。演劇を見る習慣が広く一般的なのかもしれないと思って、少し感動しました。


受付前の狭いロビー的な場所に人が溢れてきたので、もしかしたら開場が押していたのも。
開演10分前に開場しました。


中に入ると、劇場はサンモールスタジオの様な感じでした。
客席はひな壇があり、固定椅子が仮設されていました。おそらく常設の客席ではないのだろうなと思ったのは、雛段がガチガチに頑丈な作りではなく、パイプのようなものを組んで作ってあり、歩くと少し揺れたからです。
普段は何もないフラットなスペースで、公演に応じて客席や舞台の場所を自由に作れるのかもしれません。

劇場の下手から入り、自由席の様だったので、我々は中段よりすこし高い位置、センターエリアだけど少し上手辺りに座りました。続々とお客さんが入ってきて、100席弱位ある客席はほぼ満員といた位にになりました。
アメリカなので当たり前でしょうけれども、最前列座布団で桟敷席、というのはありません。
アメリカ人にそういう席を用意したらどういうリアクションをするのでしょうか。


ついつい照明の事を見てしまいます。
舞台上に吊ってある照明に関しては、プロセニアムアーチ的に使った深い文字幕(水引幕かな)が下りており、深すぎて客席からは一切見ることが出来ません(舞台の一番前の列に、舞台の天井を隠すように黒い布が長めに下がっていて、天井に吊ってあるスポットライトを見る事が出来ないのです)。おかげで観劇中照明の照射位置に意識をとられる事はあまりありませんでした(笑)

客席天井を見ると、日本の小劇場と同じようにグリッド上にバトンが設置されていて、そこにソースフォーが吊ってありました。
噂には聞いていて、ブロードウェイで見てもそうでしたが、ムービングライト以外はほぼ全部ソースフォーなんですね。ETC(ソースフォーを作っている会社)の一人勝ちじゃないですか。
操作卓は、これも日本と同じ感じで客席ひな壇の一番上の段に長机があり、その上に置いてあるスタイルです。見たらやっぱり卓はETCのEXPRESS。僕もたまに使うので嬉しくなります。



前説は人が出てきて、恐らく演出家か舞台監督なんでしょうけれども、英語で何やら喋った後、すぐにお芝居が始まりました。何を言っているのかは分かりませんでしたが、人が出てきて前説を掏ると言うことだけはわかりました。


で、お芝居の内容は正確にはわからなかったのですが、照明の使い方、舞台装置の使い方が面白く、まるで空きませんでした。単語単語、役者のリアクション、衣装、装置、表情をみて、なんとなく筋を推測しておりました。途中ジョークを言う所は、外人と弟は笑ったりしていたけれども、僕にはさっぱりです。

ストレートプレイ、約90分で舞台が終わりました。

カーテンコールは役者が並んで一礼をするだけで終わり。挨拶の言葉はありません。
ミュージカルでもそうでしたが、カーテンコールがあっさりしているのは気持ちが良いです。
僕は本当に良いお芝居を見た後は一回のカーテンコールですらあって欲しくないと思うときがあります。


見終わったので、舞台に近づいて文字幕の中を覗いてみました。
そうするとやっぱり天井にはソースフォーばかり、40台以上いたかと思います。
70度か90度のレンズがついていたり、i:cueというミラーで光を動かす装置が着いていたりしました。i:cueは転換の場面アオリで一回一瞬しか使われていなかったと思うのに、そのためにだけに吊ったんだなあと感心しました。


外に出ると、お客さんはサクサクと帰ってゆきます。
役者も6人しか出ていなかったし、2週間くらいやっている公演なので、
大半のお客さんは役者の知り合いではないのでしょう。純粋にお芝居を見に来たお客さん。

HEREで行われる公演にブランドがついているのかもしれませんが、
演劇が生活に浸透しているっぽい感じ、とてもうらやましかったです。


一つ見てみて、もっと小劇場事情を見てみたくなったけれど、この1つしか見れませんでした。
でもとても良い経験でした。


普段自分が仕事して、係わって、良く見ているのと同じような大きさの小劇場、環境で、
外人が英語で演劇をやっていんですよ。
それだけで興味深いビジュアルだし、勝手な連帯感を持って、愛しくなります。


小劇場の情報の調べ方も分かってきたし、
また行きたいなあ。


もちろん、ブロードウェイのミュージカルもまた見たいです。


長くなりましたが、何かまた思い出したら今度はブロードウェイについて書けたら書きます。
| ハギワラ(管理モード) | 観劇とかの感想みたいな日記 | 17:53 | comments(1) | trackbacks(3) |
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